真空管交換レポートVol.8 >>> Marshall JMP 1987編 by ギタリストmasha様真空管交換レポートVol.8 >>> Marshall JMP 1987編 by ギタリストmasha様
こんにちは、真空管専門店のヴィンテージサウンド代表の佐々木です。 第3回 バンド応援プロジェクトで真空管をご提供させていただいたギタリストmasha様より、真空管交換レポートをいただきましたので、ご紹介いたします。 【真空管交換前の基本データ】
パワー管到着!そして、数日後、パワー管EL34 Mulalrd 2本 が到着しました。 このEL34 Mullardは、英国製のオリジナルで、いわゆるヴィンテージ管です。 どうですか? この美しいフォルム。 気品さえ漂う、プレート電極と、ゲッターの造形。
なりません。 いきなり、プレート電圧をガツンといきなり印加すると、突入電流により、一瞬でお釈迦となる場合があります。 かくゆう私も、数回、苦い経験があります。 そこで、プレート電圧を徐々に高めてゆき、プレート電流を少しづつアップさせ、時間をかけて、既定値まで なんといっても貴重な歴史的文化財ですから。 無事、測定も終了し、逆バイアス調整を実施しました。
今回、masha様からのリクエストは、つぎの通りです。
[ 現状の音で気になる点 ] パワー管の状態は、経年劣化が見られます。このような場合には、一般的には歪ませたときにサウンドの輪郭が この傾向は、新品であっても中国球で良く見られます。 さて、真空管のセレクトにあたりましては、高域があまり出ない状況ですので、高域をキレイに出す、 ここで、気をつけなければならないのは、あまりにも、高域を重視しすぎると、腰高のサウンド傾向と つまり、高域と低域のバランスがモノをいうのです。 ということで、今回、私がセレクト真空管は、つぎの通りです。 パワー管として、EL34 MullardとE34L JJの2種類です。 一方、プリ管としては、12AX7 Mullardと、ECC803S TUNG-SOLと、ヴィンテージ管Eiの3種類です。 Marshallには、伝統を引き継ぐMullard(プリ管、パワー管)は外せません。 masha様の嗜好に近いサウンドになるかどうかは、プリ管の選択がカギを握っていると思います。 ともあれ、masha様には本日真空管一式を発送いたしますので、明日午前には到着します。 お楽しみに。
それから、約2週間後にmasha様より、レポートが到着いたしました。
ギタリストmasha様の真空管交換レポート関西を中心に活動しているロックバンドCrying Machineのmashaです。
アンプ Marshall JMP 1987 ※マスター増設 キャビネット1960A
まず最初に試した組み合わせ パワー管 EL34 Mullard プリ管 12AX7Mullard
この時点で理想のトーンが出たような気がしました(笑) アンプ側でゲインを稼ぐためにボリュームをフル近くに上げているのですが、 ハイからローまでしっかり歪んで、トーンコントロールも気持ちよく効きます。 クリーンでも独特のコンプレッションが気持ちよいです。各弦の分離も絶妙!
続いてMullardのパワー管はそのままにEi 12AX7へ
続いてMullardのパワー管はそのままにTUNG-SOL ECC803Sへ
鋭く歪んで、程よい飽和感に変わりました。 ぐっと前に出てくるが若干高域が 目立ちすぎるかな…歪みの中心がハイ寄りにあります。 上の2つに比べてサスティーンは少なめでした。
今度はパワー管をEL34L JJに変更し、プリ管はそのままTUNG-SOL ECC803S
EL34 Mullardよりもクリーンで余裕があり、トーンの効きも鋭くなりました。 上から下まで綺麗に出るのですが、EL34 Mullardの持つワイルドな飽和感が自分好みでした。 TUNG-SOL ECC803Sとの組み合わせは、先ほどよりサスティーンは長く ハイ寄りのクリーンで若干耳につきました。
続いてEL34L JJのパワー管はそのままにEi 12AX7へ やはり丸めの出音とコード弾きで少し濁る感じはそのままに、ハイファイになりました。 Ei 12AX7にはMullardが合う!ブーストせずに使う分には理想にかなり近いです。
続いてEL34L JJのパワー管はそのままに12AX7Mullardへ
この時点でプリ管は12AX7Mullardに決定しました! 噛み付くようなハイミッドが気持ちいい!
そして、第一印象の良さが忘れられず… 12AX7Mullardをそのままにパワー管をEL34 Mullardへ やっぱり最初に帰ってきました(笑) JJよりも粘り気があって耳に痛くないハイ。 余裕のEQの効きと十分なゲイン、フルアップにさせた時の歪みは何とも言えない高揚感です! 荒々しいEi 12AX7との組み合わせも捨てがたいですが、この渋いトーンは10年後までおあずけです(笑) ということで、最終的に12AX7Mullard×EL34 Mullardの組み合わせに決定しました。
以上、数時間にわたって試奏してみましたが… 真空管がサウンドに及ぼす影響の大きさは、本当に目からウロコの体験でした。 代表の佐々木さんのお陰で、自分の理想とするサウンドに限りなく近づける事が出来ました。 用意して頂いた全ての真空管が自分の好みに近く、佐々木さんの目利きの凄さにただただ感謝です。 これからもサウンドに悩んだ時は真っ先にVintage Sound様に相談したいと思います。 本当にありがとうございました。 以上 ---------------------------------------------------------------------------------------------------- 最終的には、つぎのパワー管とプリ管をご提供させていただきました。 12AX7 Mullard 3本マッチ 中ゲイン 真空管PX12 EL34 Mullard 2本マッチ 中パワー 真空管PX22
【ギタリストmasha様のご紹介】
2011.6.21 Good music ! (c) 2011 VINTAGE SOUND
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