真空管交換レポートVol.7 >>> ENGL SAVAGE 120 編 by ヴェルテクス 寥太様
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こんにちは、真空管専門店のヴィンテージサウンド代表の佐々木です。
第3回 バンド応援プロジェクトで真空管をご提供させていただいたヴェルテクス-Vertex- のギタリスト寥太様より、真空管交換レポートをいただきましたので、ご紹介いたします。

【真空管交換前のギターアンプ基本データ】
[ ギターアンプメーカ・型番 ] ENGL SAVAGE 120
[ パワー管の型番・ブランド・本数 ] 6550 sovtek 2本
[ プリ管の型番・ブランド・本数 ] 12AX7 TUNG-SOL 6本
また、寥太様とは直接お電話にて、お話させていただき、希望サウンドを十分に伺った上で、パワー管の交換にあたって逆バイアス調整をするため、ENGL SAVAGE 120に実装されているパワー管を弊社に送っていただくようお願いして、受話器を置きました。
パワー管到着!
そして、数日後、ヴェルテクス-Vertex- のギタリスト寥太様からパワー管6550WE Sovtek 2本が到着しました。

早速、6550WEをそれぞれ測定し、逆バイアス調整を実施しました。
ちなみに、逆バイアス調整は、時間とコストがかかるバイアス調整を不要とする弊社独自の方法で、これまで2500台もの納入実績があります。
最大の問題は、どの真空管をお奨めするかという点です。
寥太様からは、事前に、つぎのようなサウンド要望をお聞きしておりました。
[ 現状の音で気になる点 ] パワーが弱ってきたかなと思っています。
[ 目指したい理想サウンド ] 超クリアで芯があり太くで良く歪むゴリゴリなサウンド
この真空管セレクトは、弊社が最も得意とし、かつ一番神経を使う部分です。
うーんと、かなり、悩んだ結果、つぎの真空管をお奨めすることにしました。

パワー管として、KT120 TUNG-SOLとKT88 GOLD LIONの2種類です。
これらのKT120とKT88は、いずれも6550の互換球です。
一方、プリ管として、12AX7 Mullardとヴィンテージ管のEiの2種類です。
つまり、今回は、2×2で、合計4種類のサウンドを作ることができますので、
その中から、一番のお気に入りを寥太様に選んでいただくという趣向です。
どのようなサウンドになるか、私も楽しみです。
ということで、即日、寥太様に真空管一式を発送させていただきました。
ヴェルテクス 寥太様による真空管交換レポート
そして、寥太様より真空管交換レポートが届きましたので、ご紹介します。
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ヴェルテクス-Vertex-ギターの寥太です
本日VintageSound様から真空管が到着しました

(ALL.jpg)
まず到着してびっくりしたのが普段購入できないような高価な真空管であったことです
箱を開けた時点でテンションあがりました
今回僕がお願いした要望は
[ 現状の音で気になる点 ] パワーが弱ってきたかなと思っています。
[ 目指したい理想サウンド ] 超クリアで芯があり太くで良く歪むゴリゴリなサウンド
でした
いつもライブでメインに使っている機材でセッティングも同じで早速試してみました

(amp jpg)
ヘッドはENGL SAVAGE120
キャビネットはBASSON B412
まず最初に試した組み合わせはTUNG-SOL KT120×Mullard 12AX7

(KT120 mullard jpg)
とりあえずKT120の大きさにビックリしました(笑)
取り付けが終わって早速音出しです
まず音圧が半端無いです!ゲインをいつもより1時間程落しました(笑)
音圧もあってゴリゴリな歪みでなおかつクリアという完璧な要素が揃っています
クリーンも綺麗なんですが若干歪んで聞こえました
ハイパワー管だけあって真空管の熱が凄くてちょっとマイナス要素になりました
続いてパワー管はそのままでプリ管をEi 12AX7に交換して試しました

(KT120 Ei jpg)
第一印象としては悪くはないけどちょっと丸いって感じでした
ゲインもやや低めで上に比べるとコード感が若干減ったかなといった印象でした
パワー、ゴリゴリ感は共に申し分ない感じです
続いてGold Lion KT88×Mullard 12AX7の組み合わせ

(KT88 mullard jpg)
最高です!!第一印象で一番良かったのがこの組み合わせです
KT120と比べるとパワー感は若干落ちますが僕にはジャストなパワー感です
音の粒もKT120の時と比べると細やかで凄く歪みの音が綺麗な印象でした
ゴリゴリ感も丁度いいですし、粘り具合もダントツでNo.1です
多分一番長く音出ししました、それくらい癖になるサウンドです
クリーンも超綺麗でこの中ではダントツ1位です
最後にパワー管はそのままでプリ管をEi12AX7に交換

(KT88 Ei jpg)
やはりKT120とEiの組み合わせ同様若干丸いという印象でした
悪くはないんですがもっとパンチが欲しいと思いました
上に比べゴリゴリ感、ゲイン共に若干下がったかなという印象です
この時点でEiの12AX7は選択肢から外しプリ管はmullard12AX7に決定
パワー管を再度KT120とKT88で比べました
悩みましたが第一印象のよさ、サウンドの丁度よさで
最終的にGold Lion KT88とmullard 12AX7の組み合わせに決定しました!!

(最終セレクトjpg)

(gold lion jpg)
決定してからもしばらく弾き続けたくらい気持ちいいです!!
違うアンプに変身してしまいました(笑)
今回色んな真空管を試してみて本当にそれぞれ個性があって色んなサウンドが作れることを実感しました
VintageSoundの佐々木さんが苦労して選んでくれた甲斐あって理想のサウンドになりました!
本当にありがとうございます!
そしてこれからも宜しくお願いします!!

(last jpg)
ヴェルテクス-Vertex- 寥太
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最終的には、つぎのパワー管とプリ管をご提供させていただきました。
12AX7 Mullard 6本マッチ 高ゲイン 真空管PX13
KT88 GOLD LION 2本マッチ 中パワー 真空管PX22
【ヴェルテクス-Vertex-のご紹介】
エントリー番号 |
03-012 |
エントリー日 |
2011/5/26 |
バンド名 |
ヴェルテクス-Vertex- |
活動年数 |
3年 |
構成人数 |
4名 |
プロフィール |
2008年結成。 何度かのメンバーチェンジを経て現在のメンバーに至る。
ヘヴィな楽曲に切ないヴォーカルラインが特徴。
地元・徳島を拠点に活動中。四国他県、関西圏でも精力的にライブを展開。
数々の著名バンドとの共演も果たし、地元シーンを率先。
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You Tube
楽曲のご紹介 |
https://www.youtube.com/watch?v=yfSDIcNSTkw&feature=relmfu
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バンドHP |
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真空管交換レポート |
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2011.6.8
Good music !
(c) 2011 VINTAGE SOUND
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